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「待ちぼうけ」 [S.ショート・ストーリィ]

「あ、忘れ物した。ちょっと待ってて」
学校の帰り道、ショーゴはそう言ってもと来た道を引き返して行った。
僕は言われた通り、信号機のある四つ角で待っていた。が、30分待っても
彼は戻って来ない。
もしや事故にでもあったのでは…と思って、学校まで捜しに戻ったけれど、
彼には出会わなかった。
彼の家へ電話をしてみんなであちこち捜し回ったが、彼は見つからない。
一ヶ月、二ヶ月たっても彼は見つからなかったし、戻って来なかった。
いつしか僕は卒業するまでの毎日、ショーゴと最後に別れた四つ角で、
彼を待つようになった。学校を卒業した今でも時々あの四つ角へ行っては、
消えた時そのままの姿でショーゴが帰って来るのを待っている。

−END−

これは某誌のテーマ投稿に応募した作品を、少し改訂したものです。
学校は、既に卒業してからの作品です。


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にし

19672kさん、nice!ありがとうございます♪
by にし (2006-07-14 00:41) 

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