「鈴の鳴る音」

むか〜し学生の頃（高校生だった筈f^_^;）、某新聞に学生向けのコーナーがあって、
その中に短編を四百字詰原稿用紙1枚以内に書いて下さい、という募集もありました。
で、おもしろがっていくつか投稿していたのです。
その中のものも含めて、ぽちぽちと載せてみようかなぁ…なんて思いまして。
（誰かさんからのリクエストもありましたし（笑））
どれだけ続けられるかわかりませんが、良かったら読んでやって下さい（笑）。
これは、一番初めに書いたものが残っていないみたいで、記憶で書き直しました。
（何しろ、ロングヴァージョンとかコミックとか、沢山改訂したものですから…（笑））

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　この街にいつの間にできたのか、不思議な店がある。
見た目はごく普通の雑貨屋なんだけど、並んでいる品物が変わっている。
水の中で燃えるロウソクとか、人間そっくりに動くマリオネットとか…。
中でも一番不思議なのが、鈴が沢山ある事…！
鈴好きのボクには、もってこいの店なんだけどね。
　今日も学校帰りにまた、その店に立ち寄った。
「こんちは〜。今日は、何かいいのがあったら買うよ〜。」
「いらっしゃい。…そりゃ、ありがたい。ゆっくり探しとくれ」
　たくさんある鈴をながめていると、足元でチリンと音がした。見ると、今まで
気がつかなかった小さめの鈴が並んでいる。
「ねぇ、店長。この十二支の鈴、前からあったっけ？」
「どれ？…ああ、前からあったよ」
「ふ〜ん。どうやったら、こんな風な鈴ができるのかなぁ…」
「…見せてあげようか、作り方」
「え…？」

ガラガラガラ…！！

　壁にあった鈴が落ち、店長が歩いてくる気配がした。
「やれやれ。随分と暴れ回ったものだ。お。…今回もまずまずの出来だな」
そう言ってつぶやいた彼の手の中で、ボクの体がチリンと鳴った。

−END−

コメント 9

素敵な短編ですね（＾＾）
なんだか和みました
by (。・_・。)２ｋ (2006-05-31 04:35) 

取り方に寄っては、凄く『ホラー』の様な気もしますね...(爆)
だって、『鈴好き』の青年が『自分の体』になってしむんですから...。

如何様にも感じられるストーリー、『流石、虹さん』って感じ!!
by mokomoko (2006-05-31 08:03) 

すいません...(爆)
『自分の体が鈴』になってしまうです。
申し訳ない。m(_ _)m
by mokomoko (2006-05-31 08:07) 

19672kさん、nice!ありがとうございます。
な、和みましたか…初めていただきました、その感想(笑）。
友人達の間では「ホラーだ」と言われていたので、何か新鮮な
感じです。ありがとうございました♪。
by にし (2006-05-31 18:48) 

mokomokoさん、いかようにもとれますか。
楽しんでもらえると、私も嬉しいです♪
書いた当初はそうは思っていなかったのですが、
しばらくたってから読み直すと、「ホラーかも…」と
思ったんですよね(笑）。
by にし (2006-05-31 18:51) 

にしさんの小説が久しぶりに読めて、とても嬉しいです！
このストーリー、コミック版は見せてもらっていたけれど、文章になると、漫画とは、また感じが変わりますね。
タッチが明るく軽やかなので、よけい結末がコワイのですよぉ。
この魔法の店を舞台に連作されるかな？と、当時から考えていたのですが・・・。
ともあれ、ありがとうございました。
次回の発表を楽しみにしています。
by つくも (2006-06-02 01:55) 

つくもさん、お久しぶりです。
あれ？本編の方は、まだ見せてなかったですか。失礼をば。
すみません、連作は考えてなかったです(汗）。
次は、原稿を引っ張り出してからになりますので、お待ちください(笑）。
by にし (2006-06-03 19:06) 

怖い童話といった感じですね。
最後はドキッとしました。
また短編を書いてみようかな～。
by bfield (2006-06-15 22:33) 

bfield さん、nice!ありがとうございます♪
＞最後はドキッとしました。
そこが狙い目なんです（笑）。
bfield さんの短編、お待ちしております♪
by にし (2006-06-18 00:12)